30年戦争8-ヴァレンシュタイン解任せよ!

1628年3月11日、将軍ヴァレンシュタインは皇帝フェルディナンドよりメックテンブルク侯爵領を拝領した。ドイツ諸侯は驚天動地である。一介の傭兵隊長あがりの男に、皇帝は現領主をさしおいて独断で領地を与えたのである。自分の領地もとりあげられるのか?

すでに前年の選定侯会議で、諸侯はヴァレンシュタインの専横ぶりを皇帝に訴えていたが、ついに筆頭侯マインツ大司教が一同をひきつれ「ヴァレンシュタインの解任がなければ、皇太子の皇帝継承位であるローマ王選出に同意しない!」と宣言した。

さらに、ルーベンスの居たマントヴァ公継承問題で、皇帝は帝国領としてスペインの意向を受けて介入し、イタリアは自分の権勢というローマ教皇と対立した。そのときバイエルン公マクシミリアンは、教皇の側につき、プロテスタント選定侯と共に反皇帝で団結する。

スペインは、1625年ブレダの戦いで、名将スピノラとオランダの名将マウリッツ公との対決に勝利したが、西宰相オリバーレスは、スピノラと意見が合わず彼をミラノ総督にしてしまう。名将不在でオランダ戦線連敗を重ねた。そしていよいと30年、運命を賭けたレーゲンスブルク選定侯会議が始まる。

下はプラハのヴァレンシュタイン宮殿現在一部は国会

0コメント

  • 1000 / 1000

キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。