日本宣教49-タイオワン事件と蘭日関係

そして1628年台湾の台南市を舞台に、オランダと日本の紛争「タイオワン事件」が勃発する。オランダの中国貿易は、大陸で許可されず、台湾から行うことが許可され、オランダは要塞を築いた。そして中継貿易拠点として、日本も台南と貿易を行うのである。

中国との貿易は生糸であり、日本に売って綿織物に変え、東南アジアで胡椒を得るのがオランダの貿易である。しかし日本が台湾に来て直接中国から生糸を仕入れるのはまずい。そこで日本に10%の関税をかけた。日本ではオランダに関税をかけていないので日本は腹をたてる。

1628年6月、台南市に来航した長崎代官末次平蔵の船を行政長官ノイツは入港を拒否し、船長浜田弥兵衛らを抑留した。しかし浜田らは、逆にノイツの部屋に押し入りノイツを人質にとって解放を要求した。結局相互の人質交換ということで決着したが、今度は長崎に行ったオランダ人を日本が人質にとる。

オランダの東インド総督は、ノイツを解任し、日本に人質として送りつけて、その他を解放させた。末次平蔵は、なおも台湾をあきらめなかったが、結局捕らえられて獄死した。日本ではオランダが人質を出したことは家臣の礼をとったと解釈され、この後オランダ貿易が許されるのだから妙なものである。

下は浜田弥兵衛らに捕らえられるピーテル・ノイツ

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。