日本宣教48-アンボイナ事件東洋で英蘭対決

東洋ではポストスペインとして英国とオランダの競争が激化していた。平戸オランダ商館は1607年に開設され、13年には英国商館が開設された。香料諸島へも英国は16年に進出。17年オランダの東インド総督に強硬派のクーンが就任すると、オランダは英国船に無差別砲撃を行うようになった。

19年には欧州での情勢悪化をうけて、両国の協定が締結された。しかし裏ではケンカをしており、唯一協調しているのはポルトガル船の撃退であった。日本でも事件が起こり、ポルトガルスペインの訴えを受けて、幕府は日本近海での戦争行為は禁止した。

そして23年、両者は日本人を交えて香料諸島アンボイナ島で衝突する。英国の日本傭兵がオランダ要塞を探っていたところを捕えられ、拷問で襲撃計画を自白。オランダ軍はただちに英国商館員30名を捕え、激しい拷問の末自白させて、日本人を含む10名を斬首して追放した。

「アンボイナ事件」は、オランダ総督クーンの陰謀とも考えられる。この事件を契機に東南アジアではオランダが優位に立ち、23年英国は平戸商館を閉鎖して撤退。日本でのオランダ覇権が確立する。しかし貿易戦争は次は生糸をめぐって勃発することになる。

下は平戸のイギリス商館記念碑

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