ボヘミアを得たハプスブルクのフェルディナンド2世は、バラバラになった神聖ローマ帝国の皇帝支配を目指す。しかし一人ではできない、そこでスペインとのハプスブルク同盟でというわけである。挟み撃ちを警戒するフランス宰相リシュリューは、オランダ、イングランド、スウェーデン新教国と同盟。
1624年、スペイン領イタリアからスペイン領ネーデルランドに至る要衝の地ヴァルテリーナで、フランスの後押しでスイスのプロテスタント牧師ルク・イェナチュが反乱。皇弟レオポルド大公の軍を破って戦争の幕があがった。スペイン軍の北部への通路を遮断したのだ。
北部ではデンマークが介入。北欧諸国は、ハンザ同盟との戦争に勝ち、北海・バルト海覇権を握って強国となってきていた。デンマーク王クリスチャンセン4世は、ホルシュタインを領有し、実は立派な帝国諸侯なのだ。彼は下ザクセン区長となり、25年5月9日、ドイツに進軍する。
対する旧教側は、バイエルン公マクシミリアンは皇帝に援軍を要請。しかしスペインからの支援が遮断されている。この状況で、皇帝軍総司令官に抜擢されたのが、アルブレヒト・フォン・ヴァレンシュタイン。傭兵あがりで金持ち未亡人と結婚、ボヘミアプロテスタントの領地をさらった成り上がりである。
下左はクリスチャン4世右はアンソニー・ファン・ダイク作ヴァレンシュタイン
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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