1621年はスペインとネーデルランド共和国の休戦条約の期限の年でもあった。その交渉中に西王フェリペ3世が没するのだ。さらに南ネーデルランド総督アルブレヒト大公まで没してしまう。約定により子供のないイザベラ公妃は自治権を失い、南ネーデルランドはスペイン領となった。
そうなればたいへんである。程なくスペインに雇われた名将スピノラとスペイン軍が、南ネーデルランドに進駐した。すでにドイツでは皇帝軍が勝利し、助っ人スペイン軍はプファルツを占領していた。南ネーデルランドは戦さの舞台となってしまうかもしれない。
ルーベンスは、イザベラ公妃の相談役となって芸術外交を行う。万能人の彼は、絵を描きながら、タキトゥスの朗読に耳を傾け、手紙を口述し、その人と会話をしたというのだからハンパなさすぎである。そして22年フランス王太后マリー・ド・メディシスの要望でパリに旅立つ。
王太后の依頼は、自分の新居となったリュクサンブル宮殿の装飾だった。その画題といえば何と自分の生涯というからタカビーである。ルーベンスは3年をかけて総面積292㎡にもなる24枚の連作絵画を完成させた。この絵は宮殿の待合室の壁にかけられ、現在はルーブルの一室となっている。
下は生涯の絶頂「サン・ドニの戴冠」
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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