30年戦争3-反ハプスブルク、リシュリュー登場

ボヘミアでは勝利したフェルディナンド2世によってプロテスタント首謀者の処刑ははおろか658家の貴族と50都市が領地を没収された。そして選挙王制は廃止され、ハプスブルクの世襲領土となり、苛烈な再カトリック化が行われ、15万人が亡命した。

スペイン軍はプファルツを占領し、反乱の首謀者プファルツ選定候フリードリヒ5世はオランダに亡命した。そして教皇をまきこみ、1623年2月23日、選定候の地位をバイエルン侯マクシミリアン1世に与えたのである。そしてバイエルン侯の権力を抑えるため、プファルツにスペインを残留させた。

これは欧州諸国は愕然とした。東西両ハプスブルクの連携はかつてのカール5世ではないか。隣国フランスでは王太后マリーが幽閉を脱出し、母子戦争が勃発していた。この調停役として弁舌が巧みで、王太后マリーに近い枢機卿リシュリューが活躍するのである。

リシュリューはルイ13世と王太后マリーとの間を巧みに渡り、1624年には、国務会議の長として権力の最高の地位に立つ。枢機卿はハプスブルクの力の増大を警戒し、何と新教国であるオランダ、デンマーク、イングランド、スウェーデンとハーグ同盟を結ぶのである、いやいや奇々怪々。

下はルーベンス作「マリー・ド・メディシスの生涯」より左ブロア城脱出右アングレーム条約

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。