1610年、人類の宇宙時代が始まった。パドヴァ大学教授ガリレオが、ネーデルランドで開発された望遠鏡を改良して、天体観測を行い、その結果を「天界の報告」として発表した。その中で、木星に3つの衛星があることを初めて発見、星は地球の周りを廻っているという天動説には不利だった。
その前年、神聖ローマ皇帝ルドルフ2世付占星術師ケプラーは「新天文学」を発表、火星の研究から、惑星の軌道は太陽を焦点とする楕円とすると、観測結果が簡単に記述できることを著していた。ケプラーは、ガリレオの発見を高く評価して、「天界の報告者との対話」を著した。
当時は天文学というものはなく、ガリレオが教えていたのも占星術であり、ガリレオもトスカナ大公妃のホロスコープ占いを行っている。しかし、パドヴァ大学はヴェネツィア共和国にあり、ヴァチカンと対立しているヴェネツィアには自由な雰囲気があった。
ガリレオは、木星の衛星をメディチ星と命名、自分の教え子コジモ2世に望遠鏡を献上して、サラリーの低いパドヴァを辞職して、トスカナ大公付数学者兼哲学者としてフェレンツェに帰還する。望遠鏡はフランスにも贈られ、王妃マリ・ド・メディシスからは、次に発見する星はアンリと命名するよう頼まれた。
下左はガリレオ衛星の合成図右はガリレオの望遠鏡
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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