シェークスピア最高の傑作「ハムレット」が書かれたのは、このエリザベスの時代が終わるときである。実にハムレットは王位継承の正統性の問題ということにその時代背景を見ることができる。父を殺し王位を簒奪した叔父、その叔父に復讐することは正当なのか?ハムレットは悩むのだ。
1598年12月28日、シェークスピアは遂に自分の劇場グローブ座をもつことになった。それまでは宮内庁一座として、ロンドン北端のシアター座を使っていたのだが、地主が代替わりして地代を値上げ、劇場の権利まで要求したので、年末の雪の降る日、劇場を解体してテムズ川南岸に再建した。
王位継承で国が乱れるかはまさに自分の死活問題でもある。シェークスピアは英国史劇をずいぶん書いてわかっている。ハムレットの不安は彼の不安である。しかし何と、ハムレットが悩むことでオフィーリアは狂死し、そこからどんどん運命は転んでゆく。結果的に誰も居なくなり、王朝は滅んでしまう。
「雀一羽落ちるにも神の摂理がある。なるようになるしかない」ハムレットはそう言って決断に臨むのである。しかし最後にはホレイショーに、同族相食んで王朝が滅んだ悲劇の顛末を知らせるよう頼むのだ。それは起こりうる悲劇を止めてほしいというシェークスピアの願いだろう。
下は現代的なハムレットの有名なシーン
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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