1603年3月24日、女王エリザベス1世は崩御した、69歳。晩年の女王の時代は「タックスとアックス」と呼ばれるほど、凶作と経済の低迷、財政の窮乏で混迷の時代となった。女王はかつての恋人ロバート・ダドリーに似た二代目エセックス伯爵ロバート・デヴァルーを寵愛した。
しかし、1599年にアイルランド反乱の総司令官となったが、彼は失敗。その2年後、反乱計画が露見して逮捕され、あっさり女王によって死刑となった。愛する者を政治によって亡くしたのは何人目だろうか。今度こそ女王は精神衰弱となり、それが死期を早めた。
01年、女王が進めた特許権が物価をつりあげるとして議会で問題となった。彼女は特許権廃止を決めてから言った。「国民の愛ほど高価な値段のつかない宝石はありません。私はいかなる富や宝物にも増して国民の愛を大切にしております」
大陸が宗教戦争で揺れる中幸運であった面はある。しかし彼女のとった中道的改革が、英国を国内の宗教戦争から救った面も確かである。彼女を破門したヴァチカンも、教皇が「あのちっぽけな島の女がすべての国から恐れられているではないか」と述べて認めたのである。生涯独身だった女王は後継者にスコットランド王ジェームスを指名して連合王国の礎を築いた。
下は映画「エリザベス」ラスト「I ama married to England」
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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