英国処女王16-処刑!メアリ・スチュアート

絶体絶命のメアリ・スチュアートは最後に不思議な落ち着きを取り戻した、それはカトリックの殉教者として死ぬということである。「私は神に助けていただいて、カトリックとして死ぬつもりです」と彼女は手紙に書いている。一方スパイの頭領ウォルシンガムはでっちあげに余念がなかった。

1586年10月15日、彼女の裁判が始まったが彼女にはまるで弁護人をつけてもらえなかった。裁判官は、メアリがイングランド王位を狙ったことを弁舌したが、メアリはきっぱり否定した。2日目の審理では、フランスに居たときイングランド女王を名乗ったことまであげつらわれた。

10月25日、審理に基づき、上院と下院はメアリを処刑するようエリザベス女王に上程したが、エリザベスは返事をしなかった。エリザベスは、処刑したときの影響、スコットランド、フランス、スペインらの影響を計りかねて悶々として先延ばしにした。フランス大使との面会は陰謀があったと拒絶された。

何とエリザベスが処刑署名したのは翌87年1月31日、多くの書類の真ん中に入れられたものだった。処刑が決まったメアリは、カトリック司祭を希望したが、聞き届けられなかった。そして刑場には牧師が来ていたが、今度はメアリが拒絶した。最後の祈りは「イエス様、慈悲深い御手に私を迎えいれられんことを」だった。44歳最後まで宗教戦争に翻弄された悲劇の女王である。

下は「Queen of Scots」の処刑シーン。女優さんの顔が似てるのでこれにした

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。