英国処女王15-メアリ・スチュアート絶体絶命

1586年7月、ついにメアリ・スチュアート処刑の契機となるバビントン事件が発覚した。当時大陸ではカトリックとプロテスタントの対立が先鋭化しており、メアリはその受難者と認識された。バビントンはそのパリ帰りの魅力がある青年で、ロンドンで多くの仲間をつくった。

一方カトリック司祭のバーナードも前駐英スペイン大使の口約束だけで、策謀を開始し、この2つのグループは合流した。ところがその手紙をフランス大使館に運ぶギルフォードは、ウォルシンガムのスパイで、手紙はすべて彼が複写していたのだ。

熱に燃えるバビントンらはスペインの侵略でエリザベスを暗殺してメアリを王位につけるという空想的計画をつくり、一応メアリに承認してもらおうと手紙を書いたがメアリに着いたときは偽造されていた。お付きの者はかかわるなと止めたが、メアリは心細さのさ中に来た希望にとびついてしまった。

8月11日、乗馬を楽しんでいたメアリのもとに武装兵がやってきてメアリは逮捕された。一味は8月中旬までに一斉検挙され、極刑にされた。そしてメアリの秘書も拷問を受けた末、手紙をメアリ自身が書いたと認めた。メアリの命は風前の灯となった。

下はバビントン一味

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。