1584年天皇や著名武将を診療していた名医、曲直瀬道三がキリスト教の洗礼を受けた。きっかけは豊後でオルガンティーノを診療したことである。これは「一万人の改宗よりも効果がある」と言った者も居るようだ。さらに右近の勧めで、小西行長、蒲生氏郷、黒田孝高など有力武将も改宗した。
キリスト教の急速な普及は、この明確な神学知識を持つ宗教の魅力もさることながら、日本人のほうに抵抗感が少なかったこともあるようだ。日本人は、外国の優れたものを受け入れるのに抵抗感が少ない。さらに仏教、神道がキリスト教と似た部分を持っていたこともあげられる。
このことは宣教師達も認めて書いている。お盆は死者の日に似ており、神道などの整備された礼拝形式がミサと似ており、旗や武具にシンボルを着けるのも欧州と同じだと書いている。そして、盆行事を信徒が行うのも宣教師達は黙認したようだ。
そしてこの頃の新文化である茶道にも、キリスト教の影響は認めざるを得ない。利休七哲の3人はキリシタンで、利休の妻娘も信徒と言われている。椀を拭く所作は酷似し、宣教師も信徒に茶道を勧め、教会にも茶室があったという。茶室は武器を置き、皆平等であるが、キリスト教において武将達が求めた安らぎを、文化的に提供したといえ、いかにも日本らしい。
下はカトリックのカリスの紹介動画
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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