ロシア帝国の道4-雷帝崩御混乱時代へ

1584年、ついにロシアのイヴァン雷帝が崩御した。相次ぐ戦争と在来貴族と新興貴族との反発、身体の不調によって、晩年は悲惨であった。81年後継者であったイヴァンを妻と共に王錫で殴打して殺害してしまう。息子とも政治をめぐって対立していたのだ。

後継者の死によって、3男フョードルが即位した。ところが彼は知的障害があったと言われている。そしてさっそく今まで押さえつけられていた在来貴族の反攻が始まった。その中で新帝が頼ったのは公妃の兄ボリス・ゴドゥノフである。権力闘争は彼を中心に展開する。

新帝フョードルはさっそく重病にかかってしまう。ボリスは早々と帝妃の再婚の画策をして、それがバレるや逃亡を準備するという不安定さだった。そして86年には市民によってモスクワで暴動が発生し、クレムリン宮廷が包囲されるというピンチが襲った。

ボリスはこの暴動を武力鎮圧し、あとはお決まり通り、反対派の陰謀と決めつけ、権力掌握に成功した。フョードル皇帝を権力から遠ざけ、子作りをさせようとしたが、生まれた子は2歳で死んだ。クリミアとスェーデン同盟軍にモスクワ近郊で勝利を収め、ボリスはスルガー(摂政)の地位を得た。

下はレーピン作「息子を殺すイヴァン雷帝」

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。