黒王妃の戦争10-仏王崩御アンリ3世誕生

ネーデルランドとフランスの宗教戦争は激化するばかり。ネーデルランド総督アルバ公は反乱に厳罰で臨み、民衆は離反していった。フランスでは、中間派のモンモランシー元帥が宮廷を追い出され、王弟アランソン公とポリティーク派をつくって王に反抗する。

息子ダンヴィルは、旧教派から国王を救うとクーデターを計画し、その余波で新教派リーダー、コンデ大公アンリがパリの幽閉から脱出した。ネーデルランドでも北部カルヴァン派2州以外のカトリックもスペイン支配から距離を置いてしまった。

1573年、ついにスペイン王フェリペは、アルバ公を総督から罷免。しかしネーデルランドでの反スペインの機運は宗教と関係ないところまで拡大してしまっていた。そして翌74年5月、シャルル9世が24歳の若さで崩御した。最後の言葉は「母上お先に」とだったという。

フランス王として即位したのは、兄王に疎まれてポーランド王にされた23歳のアンジュー公アンリだった。彼はまるで逃避行のようにパリに帰ってきてアンリ3世となる。しかし新教徒は、シャルル王の死を「サン・バルトロミーの虐殺」の報いであると宣伝していた。
下はシャルル9世の死

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。