黄金帝国11-チュニジア攻め失敗兄弟確執

レパントの英雄ドン・ファン万歳。ところが英雄と義兄国王との関係はギクシャクしてくるのである。1572年アルバニアがドン・ファンを王として迎えたいと言ってきたが、フェリペは許さなかった。そしてチュニジアにあるラ・ゴレータ大要塞の攻撃を命じた。

ドン・ファンは義兄に認めてもらうべく船団を率いて出撃する。このときフェリペは、要塞を占領して破壊せよと命じた。翌73年10月ドン・ファンはこの要塞の占領に成功するが、もったいないと破壊はしなかった。教皇からはチュニジア王に封じよとフェリペに言った。

ドン・ファンは守備兵1万を残してジェノバへ行った。ヴェネツィアとオスマンとの平和交渉があり、キプロスの地位がかかっていた。オスマンのセリム2世は凡庸だったが、宰相ソココル・パシャは有能である、平和交渉を長引かせつつ、艦隊を再建していた。

そして油断を見計らって230艘の大船団で一気にチュニジアの要塞を奪還してしまった。守備兵は皆殺しにされた。レパントの勝利はフイになり、オスマンはキプロスの領有が認められた。失意のドン・ファンには、義兄王との確執が残り、スペインに帰還したのである。

下はオスマンのチュニス包囲

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。