黄金帝国10-欧州混乱!オランダ2州独立

サン・バルテレミーの虐殺はフランスを混乱に陥れた。新教派頭目ナヴァラ王アンリは王妹マルゴと新婚だったが、そのまま閉じ込められ、命と引き換えにカトリックに改宗させられたのだ。ヴァチカンはこの事件を喜んで、何とテデウムで祝福したというのだから。

地方でもユグノー虐殺が起こり、彼らはラ・ロシェルを占拠して抵抗、王軍はこれを包囲して鎮圧しようとしたが、ここでもまだ融和を図ろうとする黒王妃カトリーヌは、1573年7月にブローニュ王令で和議を行った。しかしこれは新教派に対策の時間を与えただけだった。

この虐殺をきいたスペイン王フェリペは、王宮で珍しく笑みを浮かべたという。しかしフランスの混乱はネーデルランドとの通信を混乱させ、援軍を送るにもできなくなった。そしてそれは新教も同じだった。援軍を期待したオランイェ公は失敗し、72年秋、反乱に成功した海乞食党を頼って帰国した。

スペインの支援のない総督アルバ公も攻撃ができなくなり、73年7月19日、海岸地方のホランド2州は、オランイェ公を州総督と決定した。実質上の独立宣言である。海乞食党は陸にあがって乞食(ヘーゼン)党という革命組織となり、独立の主役となっていくのである。

下はタカラヅカが「王女マルゴ」をテーマにしたミュージカル「サンクチュアリ」

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。