黄金帝国9-オランダ反乱デン・ブリル占拠

レパントで勝ったスペインだが万歳ではなかった。なぜかというとその資金のためにネーデルランドで10%の高率売上税をかけていたからである。反乱はますます激しくなった。1572年エリザベス女王によって国外退去させられた海乞食党は本土をめざした。

海乞食は港町デン・ブリルを襲撃、スペイン軍が不在のため占領に成功し、帰って来たスペイン軍を、干拓地の水門を切って水攻めして退却させた。この事件を機に北部沿岸地域は反乱側に組していった。オランダにとってこれは「バスティーユ襲撃」に匹敵する事件だった。

総大将オランイェ公はフランスのユグノーも巻き込んで大規模反乱作戦を開始しつつあった。オランイェ公の弟ナッサウ公ルートヴィヒは、フランス方面からブルゴーニュに攻め込み、モンスを制圧した。しかしここでスペイン軍の反攻が始まり、籠城せざるを得なくなる。

オランイェ公は、フランドルをやると言ってフランスの支援を求めた。フランス宮廷は新旧教派で真っ二つに割れた。急先鋒は新教指導者のコリニィ提督である。そして仏王シャルル9世も乗り気でナッサウ公と秘密で会ったりしていたのだ。しかしそこに大事件が勃発するのだ。

下はデン・ブリル占拠

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。