黄金帝国8-レパントの海戦

9月19日、ようやく準備の整ったキリスト教連合艦隊はメッシーナを出航した。その数300隻その中には後の文豪セルバンテスも居た。艦隊は何事もなく、10月7日ギリシャのオスマン艦隊集結地レパント湾に到着した。オスマン艦隊は、アリ・パシャが指揮し、その数285隻。

セルバンテスは、高熱を発していたが、最も危険な場所を志願し、その勢いに押されて隊長は12名の部下をつけて前線に配置した。午前11時開戦、風はオスマン有利の東風だったが、鶴翼の陣、西洋では鷲の陣でキリスト艦隊が進むと有利な西風に変わって押し進んだ。

先頭の大型ガレー船ガレアサの大砲が火を噴き敵先頭の4隻を吹き飛ばす。その後双方大激戦になり、旗艦同士が激突。ドン・ファン艦は舳先が短く上に乗り上げた形で火縄銃の一斉射撃!激戦の内にオスマン司令官アリ・パシャは肩を撃ち抜かれて、オスマン漕ぎ手のキリスト教奴隷にトドメを刺された。

オスマンはさらに司令シロッコやアサンも戦死し、指揮がとれなくなり、撤退した。キリスト側死者7千に対し、オスマン2万5千人とキリスト教側大勝利に終わった。セルバンテスは弾が当たり左手が使えなくなるが、これを終生自慢することになる。教皇ピオ5世は聖母の恩寵としてこの日を「ロザリオの日」とした。

下はティントレット作「レパントの海戦」

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。