英国処女王12-ノーフォーク公の「陰謀」

実はエリザベスの宮廷では何と密かにメアリ・スチュアートと貴族筆頭のノーフォーク公トマス・ハワードとの結婚話がすすんでいたのである。何と皆メアリがスコットランド女王に復帰した場合、イングランドの鈴がつけられるという国益を考えてのことだったという。

ということであまりに謀略でなさすぎてエリザベスの耳に入ってしまった。1569年9月、女王はノーフォーク本人に確かめるも返事せず。女王は病気と言って宮廷から逃げた元愛人ロバート・ダドリーのもとに押しかけすべてを知って言った「その結婚の4カ月以内に私はロンドン塔に居るでしょう」

11月カトリック北部諸州が反乱を開始した。翌70年2月教皇ピウス5世はエリザベスを破門し、忠誠義務はないと宣言した。エリザベスはすべてを疑い、結婚話に加担した貴族すべてに禁足令を出し、国内の港をすべて封鎖した上で、反乱を徹底的に鎮圧した。

ノーフォーク公は反乱を止めようとした側だったが、エリザベスはロンドン塔に投獄した。公は一旦赦されたが、スペインの使者とうかつに接触を繰り返し、72年遂に大逆罪で起訴された。女王は躊躇したが、ピューリタンの多い庶民院はメアリの処刑をも要求したため、公は犠牲となった。そしてエリザベスはカトリック国と対決する形となってゆく。

下は映画「エリザベス」よりノーフォーク公の逮捕。映画ではかなり陰謀をまとめているようだ

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キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。