黄金帝国6-海乞食戦争モリスコの乱

1568年、オランイェ公ウィレムはついにスペインに対する武装闘争に入った。これが80年にわたるオランダ独立戦争の開始とされる。主に低地諸州で戦闘が始まったが、アルバ公によってことごとく鎮圧され、国内に残る指導者は弾圧され失敗に終わった。

亡命者達は陸よりも海に活路を見出し、スペイン関係の船や沿岸の教会を略奪してまわった。彼らは「海乞食(ワーテルヘイデン)」と呼ばれた。ウィレムはこの略奪に許可を与え、イングランドも支援した。彼らはカルヴァン派で、反スペインはカルヴァン化していく。

また同じ68年、スペインでは宗教弾圧にたまりかねて、イスラム改宗者(モリスコ)が、グラナダ山岳部で反乱を起こし、アンダルシアにも飛び火した。そこで国王フェリペは、20歳を過ぎていた異母兄弟ドンファン・ド・アウストリアを総司令官に起用した。

もともと軍事的才能のあったドンファンは起用に応えて、これを3年かけて鎮圧してしまう。この鎮圧はカトリックスペインの完成を意味し、フランス南部やアフリカにモリスコは追放されたが、実際は1万人程度、隠れキリシタンならぬ隠れイスラムとしてスペインに残ったようだ。

下はアルプハラスの反乱

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。