黒王妃の戦争7-第二次ユグノー戦争勃発

フランスではシャルル9世の御幸がまだ続いていた。しかしスペイン軍の領内通過と新教派の決起に備えてスイス傭兵6千人を雇った。案の定というかネーデルランドの新教徒の弾圧はフランスに飛び火した。新旧融和のフランスを新教国に変えてスペインに対抗すべしというわけだ。

領主は神によると唱えるルター派ではなく、神に背く領主なら打倒してもよいというカルヴァン派である。1567年9月26日、モンソーに居た宮廷に新教派の襲撃の報知があった。急遽モーに移動し、近くに居たスイス傭兵を呼んで、深夜王も王母カトリーヌも一同着の身着のままパリに逃げた。

途中、騎兵を従え話し合いに来たのがなんとコンデ公ルイ・ド・ブルボンという。カトリーヌは彼を信用せず、スイス兵の槍衾に守られ、ひらすら泥まみれになってパリをめざした。パリに到着するや国王シャルル9世は激怒し、コンデ公以下新教派頭目を大逆罪に問い、ここに第二次ユグノー戦争が始まった。

当然宮廷はカトリック色が強くなり、サンドニの戦いで王軍が勝利、その司令官となった男が当時16歳の王弟アンジュー公アンリ、後のアンリ3世である。1568年3月に一旦和議が結ばれたが5カ月後にはまた再開する。

下はスイス兵に護られ突破するシャルル9世の宮廷

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。