スコットランド女王メアリの婿探しは当然のことながら、各国の関心を呼んだ。隣国イングランドのエリザベスは何と自分の愛人ロバート・ダドリーを推薦したらしい。スペインからはまたもや国王フェリペが候補となった。その他からもあったが、新旧教渾然とする中でなかなか難しい。
ところがここで思わぬ穴馬が登場した。レノックス伯の息子ダーンリー卿ヘンリーである。彼はヘンリー8世の曾孫であり、イングランド継承権も持っていた。まあ決め手になったのは、長身コンプレックスを持っていたメアリよりも背が高く、スラッとしていることだった。
1565年2月もともと縁者の二人は再会、そして4月に彼がはしかになったとき、元々女性らしいメアリは彼のもとで看病しているうちに、恋に落ちてしまったのだ。しかし彼のほうは新参貴族でカトリック、もともとの貴族やプロテスタントから反対の声があがった、その際致命的だったのは、スコットランドがまだ常備軍をもっていないことだった。
7月、恋に盲目なメアリはヘンリーと結婚した。8月さっそくマリ伯が反乱、そしてヘンリーは父からそそのかされて、自分も共同王としての完全な権利を要求するようになり、メアリの恋は醒めていった。
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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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