大航海時代26-スペイン、フィリピン制圧

1564年メキシコ植民地副王は、ミゲル・ロペス・デ・レガスピにモルッカ諸島への航路を見つけるよう命令を出した。すでにメキシコは太平洋岸に到達し、マゼランのように南米を廻る必要はなかったのだ。そして翌65年フィリピンのセブ島に到達した。

レガスピは、セブ島に入植地の村を建設、彼はそこに留まり、同僚航海士兼修道士のアンドレス・デ・ウルダネータを、増援と復路開拓のためにメキシコへ出航させた。復路開拓は困難を極めたが、北緯36度まで北上したところ偏西風に乗ることができ、メキシコに帰ることができた。

67年、メキシコから増援部隊が到着し、セブ島に貿易拠点を築いた。しかしルソン島のマニラに繁栄している都があると聞き、部下を向かわせる。当時のマニラはイスラムによって繁栄しており、友好条約を結ぼうとしたが、結局戦争となってスペインはマニラを制圧した。

71年、レガスピもマニラに到着し、現地イスラムと平和条約を結び、マニラをフィリピンの首都と宣言。スペインの許可を得て最初の総領事となった。マニラーメキシコ間はガレー船が一年に一往復し、中国の絹を乗せていったことから「海のシルクロード」と呼ばれた。

下はレガスピが現地の部族長と互いの血の入った杯を飲んだ友好の「血の契約」

0コメント

  • 1000 / 1000

キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。