1565年5月、地中海情勢を変えるマルタ島包囲戦が開戦した。60年ジェルバ島の戦いで、オスマン軍は、マルタ騎士団とスペインを中心としたキリスト教連合軍を相手に大勝利を収めた。キリスト教側は54隻のガレー船の半分以上を失った。このためフェリペ2世は新型艦をつくらざるを得なくなる。
一方のオスマンは、スレイマンの息子の争いで、その後の勢力拡大が遅れ、キリスト教側の再建と防衛の時間を与えてしまった。マルタ騎士団とは、もともと十字軍で建設された聖ヨハネ騎士団に遡る。スレイマン1世のロードス島侵攻で追い出され、マルタ島に根拠を置いた。
オスマンは2万人以上の兵を投入、一方島の防衛は1万人程度であった。しかし要塞化された島はなかなか侵攻に厳しい。オスマンは湾入り口の聖エルモの砦を砲撃を中心に奪取したが、4千人が死傷した。そしてその次の聖ミケーレ砦の制圧がなかなか厳しい。
オスマンは対岸のヒルグにも大規模攻撃をかけたが。この2か所は浮橋によって結ばれ、激戦となった。さらにシチリアからのキリスト教援軍も到着して、大混戦に。マルタ守備軍は死者の増加にも、玉砕の覚悟で引かず。スレイマンは増援する予定だったが結局9月、侵攻に挫折して撤退した。
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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