黒王妃カトリーヌの努力にもかかわらず、1562年3月1日ヴァシーの虐殺事件が起きた。やったのはカトリック過激派のギーズ公。フランス北部ヴァシーで、新教徒達が納屋で礼拝していたところ、「城壁の外しか認められていない」と追い出そうとして、乱闘になり、百人を越える死傷者が出た。
またたく間に国内に火がつき、第一次ユグノー戦争が勃発、新教徒のコンデ公ルイ・ブルボンは、一月勅令は破棄されたと宣言して南部オルレアンに入城、北部ルーアンも新教派についた。しかしギーズ公を中心とする国王軍も反撃に転じ、ルーアンを激戦の後に奪回した。
新教派はイングランドを巻き込み、援助の見返りとしてカレーやルアーブルなどの領地を約束、英軍はルアーブルに侵攻する事態となった。しかしルーアン奪回後、国王シャルル9世の錦の御旗を得た旧教軍が有利となり、ついに新教側拠点オルレアンを包囲した。
このオルレアン包囲で、旧教リーダーのギーズ公が暗殺、総司令官ナヴァラ王も死にフリーハンドを得た黒王妃は、新教側と和平交渉を行い、アンボアーズ勅令でこの内戦を終結させた。取り残されたのは英軍で、新教派にも攻撃されて撤退。英王エリザベスは苦い教訓を得て二度とユグノーを信頼しなくなった。
下はヴァシーの虐殺
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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