フランスでの新教徒ユグノーを虐殺した「アンボワーズ事件」は、今度は新教徒の反乱を呼び起こした。その地はやはり南フランス。そこは北とは独立した文化があり、宗教的にもカタリ派の伝統が残っていた。特にピレネー北のナヴァールは独立国であり、アントワーヌ・ド・ブルボンは新教を宣言した。
事態の収拾を図ったのは、前王妃カトリーヌ・ド・メディシス。彼女は、メディチ家出身で貴族ではなく蔑まれたようだが、必死で耐えて地位を守った。アンリ2世が崩御してからは、喪服で過ごし「黒王妃」との異名をとった。1560年8月、フォンテンブロー宮に新旧代表を集めて会議をもつ。
ところがまるで話がつかず、12月にオルレアンで全国三部会を開催しようとだけ決まった。その11月、こともあろうに三部会に来ようとしていた新教派のコンデ公をメアリの叔父ギーズ公が逮捕してしまった。こうなっては会議も何もなくなったのだ。
そしてその最中、気分転換に狩りに出かけた仏王フランソワ2世が、発熱し、まあ16歳の若さで崩御してしまった。この報をジュネーブできいたカルヴァンは、アンリ2世に続き、その息子も崩御してしまったことを「神の摂理」として狂喜したという。
下はフランソワ2世の死
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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