黒王妃の戦争2-新教ユグノー戦争勃発

アンリ2世の突然の崩御で後継したのが15歳のフランソワ2世である。王はディアーヌ・ド・ポアティエに公然と浮気して、長く子供ができなかった。カトリーヌはイスラム渡来の薬から祈祷から魔法に至るまで努力をした。何とディアーヌも王妃の所に行くように行って、ようやくできた王太子はひ弱だった。

そして実はフランスには問題が結構あった。まず長年のイタリア戦争のツケが貯まって金がない。インフレは国民を困らせ、王家への不満は、新教という形で噴出していた。ジュネーブを本拠とするカルヴァン派は、フランスに100人以上の宣教師を商人に変装させて送りこんでいた。

この状況で、権力を握ったのは新王妃メアリの叔父ギーズ公一族だった。そしてスコットランドに出自を持つ熱心なカトリックときた。そして新教=ユグノー派が恐れて、1560年新王を幽閉しようという行動に出たのだ。しかしこのアンボアーズ事件は露見して、ギーズ公によって徹底的に弾圧された。

フランスの混乱で得をしたのは英国のエリザベスだった。同年7月、エディンバラ条約が英仏間で調印され、メアリは英国王の名を取り下げ、メアリが仏王妃の期間中は、スコットランド国務会議に統治を委任することが決められた。しかしこの条約によってスコットランドに英国教会が進出する。

下はアンボアーズ事件の処刑

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。