英国処女王4-エリザベス苦難の戴冠

1559年1月15日、ついにイングランドで25歳のエリザベス女王が戴冠した。ブラッディマリーにうんざりしていた国民は彼女に期待した。しかしそれまでは茨の道だった。姉が戴冠してからはカトリックへの改宗を約束させられたし、フェリペはハプスブルクと結婚させようとした。

メアリに対する反乱が起こると、それへの加担が疑われ、54年3月悪名高きロンドン塔に収監された。実際彼女を処刑しようとする動きはあったのである。もちろん貴族の中に反対者も多数居て助命嘆願した。そして5月にはロンドン塔からは出られてその後1年間幽閉状態に置かれた。

メアリの妊娠がなかったとわかってから、エリザベスへの元へは人が集まるようになった。何とスペインからも新たな結婚相手をもってきたらしいのだ。彼女が独身を通したのはこうした経験も手伝っているのかもしれない。スペイン大使は彼女の父譲りの強力な意志を記している。

即位の前にエリザベスは「これは神の御業である」と語った。それは庶子から処刑直前にまで至った後女王に即位したという人生を見た偽らざる気持ちだろう。2しかし即位の異議を唱えた者が居る。その前年58年にフランス王太子と結婚したメアリ・スチュアート、そして仏王アンリ2世である。

下は映画「エリザベス」より戴冠式

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。