黄金帝国1-皇帝の死、親友の決裂

1559年、ヴァロア家とハプスブルク家のイタリア戦争を終結させるべくカトーカンブレジ条約が調印された。この条約でフランスはトリノ周辺を除いてイタリアの権利を放棄、代わりにロレーヌを得た。ヴェルダン条約でカール大帝の帝国が分割されて以降問題の地である。

その調印式の狩猟イベントで、ネーデルランドのウィレムと仏王アンリ2世が偶然2人きりになった。そこで仏王は、西王フェリペ2世が、実は自国の異端審問制度をネーデルランドに広げるつもりだ、と告げたという。スペインでは外国書籍輸入を許可制とし、改宗イスラムへの迫害が起こっていた。

フェリペは、講和条約成立後も、スペインの軍隊のネーデルランド駐留を続けようとした。しかしネーデルランド議会はこれに反対、オランウェ公ウィレムも反対した。親友同士がいがみあう、まるで映画のようなストーリーである。

ネーデルランド総督には、西王の姉のパルマ公妃マルハレータが就任した。フェリペの出立の際、見送りに来たウィレムに対し西王は「議会ではない、汝!汝!汝!」と強い口調で非難した。ネーデルランドを固めようとするフェリペと、自由な風土を守ろうとするウィレムは決裂してゆく。

下はまさに親友の決裂。まあ親友同士だからここまで激しく言うんだろうが

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。