1556年インドのムガール国で大帝といわれるアクバルが父の死で13歳で即位した。ムガールは中央アジアの覇者ティムールの一族で、アフガニスタン周辺から南下して北インドに侵入していた。しかしインドは当時イスラムが各地で国を乱立させて戦国時代であった。
アクバルにはバイラム・ハーンが摂政となり、ヒンドゥーの将軍ヘームーを破り、同年11月デリーの奪還に成功する。翌年にはライバルを滅ぼし、北インドにあっさり覇権を確立してしまった。60年には権力を持ちすぎた摂政バイラムを「イスラム巡礼」に追放した。
62年には次に実権を握った乳母一族に勝利して、皇帝としての独裁権力を握った。そして同年ヒンドゥーの藩主の娘を正室に迎えて、ヒンドゥーとイスラムの融和を図る。さらにイスラムが異教徒から取ることが許されている人頭税を廃止した。ヒンドゥーの力を得て、ムガールはインドに拡張して帝国となってゆく。
アクバルは、ポルトガル人を呼び寄せ、キリスト教にも寛容な政策をとった。彼は皇帝を諸宗教の上に立つ立場として確立、官僚機構を整備し、インドに絶対主義帝国をもたらし、イスラムは北インドまで進出した。
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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