ロシア帝国の道1-雷帝イワン4世登場

東の地ロシアでは1547年1月16日イワン4世が即位した。彼は初めてツァーリとして即位し、後に雷帝といわれる専制政治をひき、ロシア史上最大の暴君とよばれ、スターリンが模範としたという。しかし彼はまたロシアを統一国家にした改革者でもある。改革と弾圧の極端な二面性はロシア政治の特徴かもしれない。

またこの即位では、ビザンティン皇帝からキエフに贈られたという「モノマフの帽子」が初めて使用され、以後皇帝の戴冠に使われることになった。このときにはまだモスクワ大公国だが、宗教的権威と、ルーシ全域での覇権を表明したといえる。

ロシアではまだ相続は長子相続は確立されておらず、子供の分割相続だった。しかしロシアの広大な土地は、分割されても開墾の余地が十分にあり、世襲貴族がどんどん多くなり、貴族同士の争いも起こった。これに対して雷帝は、皇帝への奉仕によって土地を与えられる貴族をつくったのである。

この勤労貴族によって軍事が可能となった。モスクワは汗国に略奪されていたが攻撃に転じ、1552年交通の要衝カザンを制圧。56年にはアストラハン国を併合し、欧州からアジアに至る通商路を確保すると、欧州から商人がおしかけてきた。雷帝はリトアニアとも戦争するが、突然帝位を投げだそうとする。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。