壮麗帝の挑戦6-赤ひげ提督チュニス陥落

1534年オスマン帝国によって、チュニスが陥落した。これを実行したのは、バルバロス・ハイレッデンという北アフリカを荒らしていた大海賊である。ハイレッデンは4人兄弟であり、兄弟揃って海賊である。兄ウルージは、1516年アルジェリアを占領して、オスマンに臣従して承認された。

17年アルジェリアはスペインに奪還され、兄は死亡。兄の地位を引きついたハイレッデンは、オスマンの支援を得て、1529年にアルジェリアを完全占領し、それを足場として、対岸のマルセイユやシチリア島を略奪した。そして1533年スレイマン1世によりカプタン・パシャ海軍総司令官に任命された。

それからは、パシャとしてローマ近郊のオスティアにまで出現し、ローマにとっても脅威となっていった。1534年、ハイレッデンは、チュニスを攻略した。チュニジアは、13世紀以降はフス朝が支配して、オスマンからは独立し、欧州とも交易を行ってきた。

スルタン・ハサンは、チュニスを逃れ、皇帝カール5世に援助を要請した。ヴァチカンからも、再三ハイレッデン討伐を要請されていたカール5世は、ポルトガルのジョアン3世と連合し、チュニス攻略に大艦隊を編成した。

下左はイスタンブールのハイレッデン像右は当時のチュニス

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。