1534年8月15日聖母被昇天の祝日、パリのモンマルトルの丘で7人の男が集まり、同志の誓いをした。それは「イエズス会」と呼ばれるカトリック組織の形成だった。リーダーはイグナチオ・デ・ロヨラという。そしてその中には日本に赴くこととなるフランシスコ・ザビエルも居た。
ロヨラはバスク地方の貴族の生まれで、元軍人である。1521年、ナバラ地方でのスペインとフランスの戦争で負傷して捕虜の後、故郷の城に帰還した。ところが傷がなかなか治らない。彼は暇つぶしに騎士物語を所望したが、もってこられたのはキリスト教の本だった。
しかし彼はそこで、使徒や聖人達が、王に仕える勇敢な騎士に見えたのである。彼は信仰の騎士になる決意をして、エルサレム巡礼を思いたつ。すると夜ベッドに横たわる彼に聖母が現れたという。
ロヨラはエルサレムへ行く前にモンセラート修道院からマンレサという小さな町に行った。1年間、洞窟に住み、病人を介護し、物乞いという聖人の生活をした。そしてある日主と聖母にまみえるという至福の神秘体験に達した。彼はその内的体験プロセスをまとめたマニュアル「霊操」を書いた。このトレーニングをした7名が誓いを立て、やがて高山右近にも伝わることになる。
下は2016年スペインのカッコいいロヨラ様ドラマ
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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