大航海時代24-仏カルティエ、カナダ発見

カルティエといえばおフランス高級ブランドを思い浮かべるが、ジャック・カルティエは、冒険家である。1491年ブルターニュ公国の港町サン・マレで生まれた彼は、若い頃から船乗りとして新大陸へ航海を繰り返していた。

そして1534年、スペインに対抗するため、海外植民地を求めていたフランソワ1世の前に、モンサンミシェル修道院長の紹介で謁見した。仏王は、もう南は無理とあきらめ、北米アジアに到達する方法を模索しており、カルティエに命令を出した。

同年北アメリカに出発したカルティエは、ニューファンドランドから南下し、現在カナダ南東部のセントローレンス湾に到達した。ちなみにこの名前は到達した日が聖ローレンス(ラウレンチウス)の日だったので名付けたものだ。彼はその湾一帯を探索し、現在のケベック州の岬に十字架を建て、フランス領だと、他各国と同様に宣言した。

帰国後仏王はおおいに満足し、翌年また探検に行かせた。カルティエは、今度は湾の奥のセントローレンス川を遡り、上陸したとき、先住民の集落を見つけ、「カナッタ」と言っているのをきいて、この地をカナダと命名した。また上陸地点も現地語で「ケベック」と名付けた。こうしてフランスも植民地競争に名乗りをあげたのである。

上陸地点に立つカルティエ像

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キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。