英国離婚王5-ヘンリー8世ついに再婚

新たにヘンリー8世の寵を得たのはトマス・クロムウェルだった。モアは引退後すぐ会見したが、マキャベリの君主論の研究者のクロムウェルと、理想主義者のモアが通じ合うはずがなかった。クロムウェルは、マキャベリストとして仕事に励み、まずカンタベリー大司教にトマス・クランマーを就任させた。

1533年「上告禁止法」を制定し、英国教会から教皇への上訴を禁止。その上で新任大司教が、国王の離婚とアン・ブーリンとの結婚を承認した。これに反対した修道会の聖職者は処刑された。1534年「国王至上法」が制定されヘンリーとアンの子供の王位継承権を、英国臣民が署名するよう求められた。

1533年、パリに居るカルヴァンは、ユマニストから遂に福音主義への回心した。カルヴァンは人文主義を突き詰めることで最福音主義者に転向する。そのパリでは、福音主義者のパリ大学総長コップが11月1日の万聖節に、福音主義の演説を行い、カルヴァンもこの原稿に関わった。

この演説自身は過激ではなかったが、万聖節の演説としてかんじんの諸聖人の恩寵に全く触れないことが問題となった。異端の申し立てがあり、この演説に関わったものが逮捕され、カルヴァンもパリを脱出した。国王フランソワ1世は国内行脚をしつつ、カールへの復讐を狙っていた。

下はBBCのアン・ブーリンの戴冠、国民からは嫌われていたようだが


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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。