最後の皇帝6-皇帝護教宣言!ルター焚書

ところでルターが決死の戦いをしている頃、国主となったカール5世はまだスペインに居た。スペインでは未だブルゴーニュからやってきた王カールへの反感があった。国王の出国阻止はトレドからまたたく間にカスティーリアに広がり、カールはラ・コルーニャの港から辛うじて出国できたのである。

その後、この反乱はコムネーロスの乱となり、財産、役職、特権を以前に戻せと留守番役アドリアン枢機卿に迫った。そして彼らはまた幽閉されているもう一人の国王ファナのもとに行った。サインすれば、外に出れるという反乱側に、なんとファナはまるで応じなかった、母の本能というのだろうか?

1520年10月23日、カールはカール大帝の眠る大聖堂であの金権大司教アルブレヒトによって塗油され、戴冠した。大司教の「キリスト教を守るか?」という問いに、カールは「然り」と応えたのであった。11月レオ10世は、回勅「エクスルゲ・ドミネ」を発し、95カ条のうち41カ条を破棄せねば破門と最終通告を行った。

期限は60日であったが、12月10日ルターは躊躇したが、彼の周りに集まった過激派学生達が扇動し、市民らも集まり、教会法規や神学書を焼き払ってしまった。こうしてルターの提起した問題は売り言葉に買い言葉となっていき、新任皇帝はいきなり試練に晒されることとなった。

下はルター派の焚書

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。