1520年、もうここではルター派といってよい者達は、後世宗教改革3大文書と言われるマニフェストを発表した。この中でルターは、万人祭司という思想を提出、聖職身分を否定した。面白いことに世俗身分は神が認めたとして肯定している。しかしカルヴァン派となると君主を替えてもよくなる
聖職も信徒も平等であり、ルターは聖職の妻帯も承認する。キリスト者にとって信仰と聖書が最も重要となる。信仰がないうわべだけの善行は救いにはならない。信仰があれば自ずと善行は出て来るというわけ。これを極端に解釈すると、キリスト教ではない日本人は皆地獄落ちという人も出て来る。
またルターは、聖職は信者組織の中から選ばれたと述べ、位階制を否定、このことはヴァチカンの聖職者任命を否定し、教会の国家管理につながった。さらに、これ以後プロテスタント宗派は数えきれないほどの宗派ができ、すぐルター自身も悩まされることになる。
ルターが、キリスト者は外的なもので義とされない、と言ったことは、近代の思想の自由を先取りしたものといえる。ところがルターはこの後、なんと人間の意志の自由を否定してしまうのである。なかなか面白い人だが、ルターの自由か必然かという問いは今も続いている問題ともいえる。
下は宗教改革三大文書
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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