チェーザレは領地を固めるべくロマーニャに帰還する。しかしさっそく新教皇が掌を返して領地の返還を命じ、拒絶するチェーザレに逮捕命令。彼はまたもローマに戻され、ボルジアの間に閉じ込められる。結局領地を返還せざるを得ない。これまで教皇の力を使い、自分の敵ばかりつくったことが裏目に出る。
チェーザレは結局スペインに移送されて幽閉されたが、その間フランスは結局スペインに敗れ、1504年ナポリから撤退、しかしミラノは確保した。ルイ12世はその腹いせに、自分をさんざん裏切ったチェーザレのフランス領を没収した。チェーザレはすべてを失ったのだ。
そして1507年、義兄ファン3世の治めるナバーラ王国に逃れるが、スペインとの戦いに敗れ戦死した、若干32歳。彼の夢はカエサルのようにイタリアを我がものとすることだったろうが、なにぶんスペインやフランスのような自分の軍を持っていなかった分謀略に頼らざるを得なかったといえる。
イタリアは教皇という強力な権威をもち、その教皇は自領を守るためにドイツ王を神聖ローマ皇帝とした。しかしその皇帝と教皇は、中世を通して諍いを繰り返し、ドイツもイタリアも統一できず、領邦化してしまう。ドイツ、イタリアの分邦化は国の歴史に大きく関わる.。
ゲームのチェーザレの最期
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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