1502年6月、チェーザレはウルビーノ公国を電撃侵攻した。ウルビーノは小さいながらフィレンツェを凌ぐ文化都市で、ルネサンスのもう一人の天才ラファエロを輩出している。ラファエロの父も宮廷画家であり、彼は幼少から絵の才能を示し、この頃はペルージャへ行き、ペルジーノの元で修行をしている。
チェーザレはさらにサンマリノを降伏させ、慌てたフィレンツェは、チェーザレに使者を送る。その中に次席で居たのがマキャベリである。マキャベリは、会見するやチェーザレに惚れ、イタリアの救世主を見る。そしてこの頃、ダ・ヴィンチは気まぐれにフィレンツェを出て、チェーザレに会いに行った。
チェーザレは、多分ミラノでダ・ヴィンチに会っており、この高名な天才を「最も親しき友、建築技術総監督」と呼び、あらゆる便宜を計るよう手紙を送っている。ダ・ヴィンチといえば冷静で、チェーザレの顔のスケッチを描いている。心ここにあらずというか、頭は良さそうだが少し普通ではない。。
しかしなかなか事態はチェーザレの思うようには進まない。フィレンツェはルイ12世に訴え、ウルビーノには元の領主を戻さざるを得なかった。だが、ミラノに集まった反チェーザレ同盟を創る企てには仏王はのらなかった。ナポリでフランスはスペインの劣勢に陥り、チェーザレの支援が欲しかったのだ。
下はチェーザレのスケッチ。皆さんはどう思う?
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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