ついに我が刻来たれり!とチェーザレは思ったろう。チェーザレは、ルイ12世に猫かぶりの忠勤に励み、フランス軍を貸してもらった。1499年11月7日、ルイ12世は帰国の途につき、チェーザレの進攻を承認した。目指すはロマーニャ地方。ここは教皇領でありながら、有名無実となっていた。
父の教皇は、ロマーニャ地方の小領主に対して宣戦布告、チェーザレは仏軍と傭兵達総勢1万5千人で進軍した。最初の目標はイーモラ・フォルリである。この地はフィレンツェとヴェネツィアを結ぶ要衝の地であり、堅固な要塞が造られている。そしてそこを守るのは有名な女傑カテリーナ・スフォルツァである。
姓からわかる通り、ミラノのルドヴィコと同じスフォルツァ一族。彼女を有名にしたのは最初の夫が反乱で殺害されたときのこと。子供と捕えられて「城内を説得してきますわ」と城内に入るや総大将として立てこもり、「子供を殺すぞ」と脅されるや、城門の上に仁王立ちしてスカートを捲りあげ「子供なんかここからいくらでも出てくるよ!」と言った一件である。
結局反乱は鎮圧され、彼女の名はイタリア中にとどろいたが、残念ながら領民に慈悲がなく、慕われていなかった。ちなみにゲーム「アサシンズクリード」では、彼女を助けてダヴィンチの飛行機を飛ばし、その後一夜を共にできるというムフフな体験ができる。
下はアサシンズクリードでのスカート捲りあげシーン
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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