大航海時代13-コロンブスが持ち帰った梅毒

1496年6月11日、コロンブスは新大陸から再びカディスに到着した。船には225人の帰還者と25人の先住民が乗っていた。酷い航海で、食糧がなく、先住民の何人かは途中で死んでいた。そして新大陸からは、黄金やインコなどと共にやっかいなものも持ってきた。すなわち梅毒である。

この病気はその後世界に蔓延し、1512年には東の果ての日本に上陸する。もっともヨーロッパからアメリカへは天然痘などの病気が持ち込まれており、先住民を殺した大きな原因は、この疫病だったようだ。

さらにコロンブスは、第2回航海中に現地で対立した先住民を奴隷として本国に送っていた。当時奴隷は、異教徒の戦争捕虜は認められていた。そこで両王は、そのうちで戦争をしていた者のみを奴隷とすることを認めた。だが、彼らは慣れぬ異国で余り長く生きれなかったようだ。

しかしアメリカでは、もう先住民は勝手に奴隷にされていた。この先住民の扱いについてはこの後非常に苦慮することとなる。そしてとりあえずまともな宣教師を送らねばと思った。その頃、コロンブスの帰港をあこがれの目で見ていた少年が居る。やがて大陸へ渡り、植民を告発し、先住民の人権を認める中心人物となるバルトロメオ・ラス・カサスである。

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。