スペインではレコンキスタ完成が近くなって、国内をキリスト教思想で統一しようと考えた。かつてはイスラムやユダヤ人に恩恵を受けたにもかかわらずである。国内に残るユダヤ人やイスラムはキリスト教に改宗か弾圧か追放を迫られる。
1487年、共同王フェルナンド2世は、スペイン独自に異端審問を行う許可を教皇より得た。この許可に活躍するのがスペイン人枢機卿ボルハ、後のアレクサンデル1世である。そして初代審問長官に任命されたのがトマス・デ・トルケマダ。実はスペインはユダヤ人に多くの借金を抱えていたのだ。
なんとヨーロッパでは「魔女狩り」が始まる。1484年、ドイツの異端審問官ハインリヒ・クラーメルらが、教皇インノケンティウス8世に魔女に関する書簡を提出。それに答えて教皇は有名な「魔女回勅」を発布。そしてクラーメルは魔女マニュアルというべき「魔女への鉄槌」を発行、この書は12版を越えるという当時のベストセラーとなった。
中世は魔女や民間信仰はあまり気にされなかった。実は裁判では全員無罪となっている。クラーメルは教皇の力を借りて巻き返しを図った。そして教皇は、欧州をキリスト教で統一しようと、ピコ・デラ・ミランドラを禁書にした。欧州のキリスト教厳格化は、その後教皇にふりかかることになるのだが。
下はワグナーのオペラ「ローエングリン」より、古い土着の神を信仰する「魔女」オルトルートが復讐を誓うシーン
キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民
キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。
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