大航海時代3-コロンブスの夢まずリスボンへ

エンリケ航海王子が海路をきり開いてから、リスボンは、海へ乗り出すベンチャー達のメッカだった。すでにポルトガルは、航海の権利に民間資本を導入しており、その特権をリスボンに店を出すイタリア商館に与えていた。当時はアフリカ進出が熱気を帯びていたが、冒険野郎共の夢はその先にあるインドや中国、日本だった。1410年、フランスの神学者ピエール・ダイイは「世界の夢」というおかしな本を出した。

その本には、ヨーロッパとインドの間の海はそんなに広くなく、風に乗れば数日間で着くという。やがてその本を読んで夢を見る男が出てくる。クリストファー・コロンブス、1451年彼はジェノヴァで生まれた。家は毛織物の職人をしていたようだ。十代の頃から、彼は父の仕事を手伝って仕入れなどで海に出ていたようだ。家の仕事はうまくいかず、家はワインやチーズを扱うようになり、72年にはチュニスまで航海に行っている。

74年フィレンツェの医者で天文学者のトスカネリが、西回りでインドに早く到達できるという考えをリスボンの司教座賛助会員に手紙を書き、その噂が広まった。印刷術のおかげで、東方見聞録のような書も印刷され、コロンブスも読んだ。

そして77年、彼はついに「ドリームの街」リスボンに行った。その前に弟の一人がこの街で海図を売って商売をしていたのである。そして79年にはジェノヴァ商社の大量の砂糖の買い付けで、船長格でマディラ諸島へ買い付けに行くまでになっている。そして転機がやってくる。

下は故郷ジェノヴァのコロンブス記念塔

0コメント

  • 1000 / 1000

キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。