オルレアンの少女41-再逆転!悔悛撤回し処刑へ

約束違反で元の牢に戻されたジャンヌだが、日曜日には着せ替えられた女装から元の男装に代わっていた。何が起こったかというと、ある者は、イギリス貴族が乱入して防備のために着替えたといい、別の者は、起きると男性服しかなかったと言っている。ともかくしめしめとコーションは再尋問を開始した。ジャンヌは「約束を守らないからだ」と答えた。

そして聖女2人が現れ、命欲しさに神の命を取り消したら地獄に落ちるといわれたと述べ、悔悛を撤回した。いずでにしてもしてやったりのコーションは、一旦悔悛して異端に落ちた「戻り異端」を宣告した。最終的な罪状はなんと男装である。コーションは陽気に「うまくいきましたよ。少しは嬉しそうな顔をして下さいよ」と言ったと証言されている。

しかしこの悪僧の通りは皆考えていなかった。もう一度ジャンヌに言い聞かせようと、他の判事は言いだしたのだ。そんなことをされてたまるか、悪僧は無視して強引に事をすすめた。審理の決定は世俗裁判に引き渡すことであったが、その世俗裁判も行わず、火刑の準備を始めさせたのであった。

ジャンヌは、最後の悲嘆にくれていた。火刑にあえば復活できないと言われており、怖れはそちらのほうだった。コーションが入ってきたとき、ジャンヌは「あなたを神の前で告発します」と言った。それで少しはビビったのか、最後の望みの聖体拝領は了承した。彼女のかねてよりの望みであった聖体拝領は最後に叶えられた。

下はイングリッド・バーグマン主演「ジャンヌ・ダーク」最期の一夜の渾身の演技

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。