オルレアンの少女23-ランスへ!トロワ無血開城

仏軍の常識はずれの速攻でパティは大勝利、ここで英軍自慢の長弓隊が壊滅した。怖れがないはずのシャルルだが、まだ逡巡していたのである。まあ臆病というか慎重というか、これがシャルルでありフランス王である。こんな王家がジャンヌを使って、何かを画策できたとはとても思えない。とうとうジャンヌは王の前から姿を消し野宿、ようやく重い腰をシャルルはあげる。

しかしランスはパリより遠く、東部を支配し、敵対しているブルゴーニュ領を突っ切っていくことになる。まさにフランスの王位を賭けた行軍であった。そのためシャルルとジャンヌは、ブルゴーニュ候に当ててランスの戴冠に参列するよう手紙を書いている。6月29日、シャルルは1万2千の兵をあげて出発した。

30日からすぐオーセールでブルゴーニュ軍と競り合うも結局、軍に食糧供給を保証、そして軍は大都市トロワへ向かう。ジャンヌとシャルルはトロワに対して逆らわぬよう手紙を書き、向こうからも使者を送ってきた、目的は聖職者によるジャンヌの見分。彼女は「勇気をもってもっと近寄ってらっしゃいよ」と笑って言った。

攻撃法について相変わらず意見はまとまらない。ジャンヌが入って、「評定をやめて、トロワの包囲をしてください、そうすれば3日以内に入城できるでしょう」と言ったとル・バタールが証言している。事実彼女は一人でその日の晩うちに包囲をしてしまった。翌日、街の住民は震えあがり、すぐ降伏して、7月10日、軍はトロワ入城を果たした。

下はシャルルとジャンヌに市の鍵を渡す市民

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。