オルレアンの少女22-またも声の預言大勝利

ロシュでの会議の前に、王の側近がジャンヌの不思議な声について尋ねている。そしてシャルルもそれを急かした。するとジャンヌは顔を赤らめ、お祈りすると、いつも「神の娘よ、私がお前を助けるから大丈夫だからね」という声が聞こえてきて、教えてくれる、と言った。

ジャンヌのもとに万の兵が集まってきていた。そして戦闘指揮官としてアランソン候ことジャン2世とリッシュモン元帥がいよいよ参戦することになった。6月8日「ロワール作戦」と名付けられたロワール河畔に残っている英軍の掃討作戦が開始された。しかし兵をまとめるのはやはりジャンヌである、負けていても、ジャンヌが軍旗を持って来ると勢いを盛り返すのだ。

隊長達は寄せ集めで、軍議はなかなかまとまらない。ジャンヌは言った「やんごとなき侯爵様、さあ攻撃に移りましょう」。そして「ああ怖れてらっしゃるのね、奥様に私がつつがなくお返しすると言ったのをお忘れかしら?」何と言うタメ口!。そしてあるとき「そこから下がらないと大砲にやられますよ」と言われた。そして下がると本当に、そこに残っていた騎士に命中した。さすがの候も、ジャンヌに神の力が宿っていると信用せざるを得ない。

6月17日、英仏両軍は激突した、「パテの戦い」である。候が意見を求めると、ジャンヌは「イギリス軍は敗走するから、追撃用にいい拍車をつけておくこと」と言った。英軍は森の中で待ち構えていたが、そのとき一匹の鹿が軍の中へ入って、その歓声で居所がバレてしまった。仏軍は準備の整わない英軍に突撃して、2千~4千人の死傷者を出す大敗を喫し、仏軍の死者はわずか3人だった。
下はパテの戦い

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。