オルレアンの少女24-ランス戴冠!裏切りの預言

7月12日、シャルル軍はトロワを出発、シャロン=シュール=マルヌを無血開城させた。ランスに近付くにつれ、国王戴冠のお触れを受けた民衆が次々に行軍に加わり、もうこうなると攻撃は不可能であった。ジャンヌの作戦は見事に当たったわけである。ジャンヌは、その中でドンレミ村の仲間とも巡り合った。

しかしジャンヌは、ここでなんと「自分には怖れるものは何もない、ただ裏切りが心配」と恐ろしい予言をしたと仲間が証言しているのである。これは単なる不安だろうか、それとも予言?ともかく、7月16日には、シャルル軍は、何も妨げるものなくランスに入城を果たす。

1429年7月17日、あわただしくもランス大聖堂で、古式にのっとって国王シャルル7世の塗油と戴冠の儀式が行われた。この油は、サンレミ大修道院にあるクローヴィスの洗礼のため鳩が持ってきたという聖油1滴を混ぜなければならない。王は最初下着姿で、最初の塗油を受け、国王服を着ながらさらに塗油を受ける。

ジャンヌと言えば、特別に彼女の軍旗を持ちこんでいた。彼女の父母も参列していた。重臣達が次々と臣従を誓うなかで、ジャンヌは王の足をかき抱き、初めて「国王様」と呼びかけ、神の御旨は成就されました」と述べたのである。ジャンヌが最高に降伏な瞬間であった。

下はリュック・ベッソンの映画のランス戴冠

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。