オルレアンの少女11-神からあずかった言葉

ジャンヌが王太子に明かした秘密の言葉は処刑裁判でもしつこく追及されたが、「王におききください」と言うだけで、何も語らなかった。この秘密とは、王太子の神への祈り「もし正統な血筋なら王位につかせてくれるよう。さもなくばスペインかスコットランドへ亡命させてほしい」という言葉だったというのが定説である。

ジャンヌはこの彼と神しか知らない言葉を明かした後、彼が正統な血筋であり王位を継ぐことができる、という神の言葉を言ったとされる、自分の血筋を疑っていたシャルルは喜ばないわけがない。隠れていた王太子を当てて、彼しか知らない言葉を当てる、常識的には策謀である。つまりドンレミへ行くのが無理なら、ジャンヌがシノンへ来たときに、信用させる計画をつくったというわけだ、黒幕は義母ヨランダ。

しかし宮廷は一枚岩ではない。王太子を隠れさせたのはヨランダの敵侍従長派だとされている。このハプニングに対応するのは難しい。教えるとしても服装しかないが、写真があっても何百人から1人を特定するのは難しいはずだ。わけのわからない娘にそこまでする理由がない。しかもジャンヌがそれを命を賭して守る理由がない。

王太子に信用されたジャンヌは宮廷に留まることになった。しかし宮廷ではまだ信用できないと言う。そこでポアティエに連れていき、ここに居る神学者や大学教授達に神の使者かを審問させることになった。ついでにジャンヌの処女検査もする。魔女は悪魔に処女を捧げるからだ。

下は映画の処女検査シーン

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。