オルレアンの少女8-ジャンヌ友に見送られ出発

叔父と共にヴォークルールに出発するジャンヌを幼馴染のマンジェットが見送った。ジャンヌは「さようなら」と言い、幼馴染のことを祈ったそうだ。復権裁判には村人たちが我も我もと詰めかけて証言が残っている。ジャンヌはすみずみまで明らかにされ、とても陰謀がつけこむ余地はない。

ヴォークルールに着くやいなや、ジャンヌは会う人ごとに「守備隊長に会わせてほしい」と「自分は神からオルレアンの解放の使命を啓示された」と話した。町はこの変わった少女の話でもちきりになった。守備隊長ボードリクールのところまで伝わり、とうとう無視できなくなったので、叔父を呼んで往復ビンタを食らわせて帰らせたそうだ。こうしてジャンヌの第一次遠征は失敗に終わった。

しかし2ヶ月後、少女はまたやってきた、これが夏。今度は宿屋に泊ってそこの手伝いをしていた。そして翌年2月ジャンヌ第三次遠征では宿屋の夫婦を味方につけ、そこに住み込んでしまったのだ。彼女は「四旬節の第3週の木曜日までに王に救いの手が差し伸べられる」と予言した。

この頃にはもうジャンヌの噂は近隣にまで伝わり、ナンシーのロレーヌ候シャルル2世が、自分の病気を治してもらいたい、と言ってきた。候のところへ行ったジャンヌはきっぱりと「自分は病気のことはわからない」と言って兵を貸してくれるよう頼んだ。もし陰謀があればこんなことは言わないだろう。そしてこの頃、彼女の最初の信望者ができ、彼女は武装を整える。

下はヴォークルールのジャンヌ像

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。