シエナの聖女4-教皇の死の予言的中

1367年ウルバヌス5世の戻ったローマは期待はずれ。教皇領内では謀反が起こり、ローマ市内の治安も危険。ビルギッタは度々教皇と会って信頼され、ローマの治安のために活動した。しかし他の中枢の人間はフランスに染まり、ローマに来たがらず、1370年、教皇はローマに引き上げることとなった。ビルギッタは「もし帰られるなら、死が訪れるでしょう」と予言したが、11月その通り教皇は亡くなった。

67年カタリナにイエスキリストが訪れ、彼女にしか見えない指輪を嵌めて、神秘の結婚を行ったという。カタリナは外に出て、父に家の中の物を貧者に施すというと、自分の天国行きのために許可してくれた。その年再びイタリアをペストが襲い、彼女は率先して看護にあたった。汚い膿にも意地悪婆さんにも「イエス様のことを思えば」まるでめげない。彼女に尊敬が集まるのも当然だった。

シャルル5世は、反撃を開始した。フランドル伯の娘とイングランド王子との結婚を教皇を使って阻止し、代わりに自分の弟と結婚させ、フランドルを実質ゲット。64年、ブルターニュとオーレの戦いで敗北すると、ゲクランを多額の身代金で救出し、65年あっさりモンフォール伯をジャン4世として承認する代わり、臣従の礼を取らせてイングランドと引き離してしまった。

仏王の目的は国土の回復だったが、思わぬところでイングランドと戦うことになる。イベリア半島のカスティーリア王国庶子、エンリケ・デ・トラスタマラが支援を求めてきた。「アル・カサル」の戦いが始まる。

下はスルバラン作「カタリナの神秘の結婚」

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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

キリスト教なしに西洋史は読めないというほど深く痕跡を残しています。そういうキリスト教を念頭に置きながら、西洋史を読んでいこうと思います。もちろん批判的観点もおおいにアリ。 ローマ時代コンスタンティヌスから始まる長い物語、お楽しみいただければ幸いです。